テレビ出演・記者会見 テレビ出演・記者会見

茂木経済産業大臣の閣議後記者会見の概要

平成26年1月17日(金)

10:24~10:38

於:記者会見室

(冒頭発言)


 おはようございます。私の方から、まず二点御報告を申し上げます。


【UAE出張】

 一点目は、出張の関係でありますが、明後日より22日までアラブ首長国連邦のアブダビに出張いたします。昨年5月の安倍総理訪問を踏まえまして、我が国のエネルギー安定供給に資する2国間の協力関係の強化を図るとともに、同国が主催いたします再生可能エネルギー推進に関する国際会議、具体的にはワールド・フューチャー・エナジー・サミットと環インド洋再生可能エネルギー大臣会合に出席をする予定であります。

 訪問中、同国との要人との間でエネルギー分野に加え、教育、投資促進、医療等の協力案件の進捗及び今後の取組について意見交換を行う予定であります。

 また、国際会議におきましては、我が国の新しいエネルギー政策の策定について、また再生可能エネルギーの普及に向けた取組について紹介をするとともに、我が国の再生可能エネルギー分野における国際貢献について発信をしていきたいと考えております。

 先ほど出張の件、総理に御報告いたしまして、安倍総理からはエネルギーを含めた幅広い分野での協力関係の確立と石油権益の確保を図るようにと御指示をいただいたところであります。

 


【消費税転嫁円滑化のための業界団体への要請文書の再発出】

 それからもう一点、消費税の転嫁の関係でありますが、昨年の11月から公取と合同で行ってまいりました消費税の転嫁拒否に関する書面調査の結果が取りまとまりました。

 その結果、まことに遺憾ながら、4月以降の取引契約で買いたたき等を現に行っているか、今後行う可能性がある事業者が建設業、製造業、卸売業、小売業を中心に存在すると見られることが判明をいたしました。

 このため、税率の引き上げに向けた価格交渉の本格化を控えまして、これらの業種に属する業界団体、全体で575団体になりますが、に対しまして適切に転嫁に応じるよう改めて本日付で大臣名の要請文書を発出することといたしました。

 加えて、474名の転嫁Gメンによります聞き取り調査の過程で、違法行為の疑いが高まった事業者に対しては、今週から立入検査を行うことといたします。

 さらなる裏付け調査によりまして、法律違反の事案が明らかになった場合は、違反行為によって生じた被害額の返還指導、公取による是正勧告の実施、さらには事業者名の公表含めて、厳正に対処してまいります。

 今後も消費税の円滑かつ適正な転嫁に万全を期してまいりたいと考えております。詳細につきましては、後ほど事務方から説明をさせていただきたいと思っております。

 私の方からは、以上です。

 


(質疑応答)

 

【通常国会に向けての意気込み】

 Q: 質問二点お願いします。まず、24日から通常国会が始まりますが、好循環実現国会に臨むに当たり、大臣のお考えをお伺いします。


 A: 安倍政権として、この通常国会、好循環実現国会と位置づけておりまして、経済産業省におきましても企業収益の改善を賃上げ、所得や雇用の拡大につなげ、それが消費の拡大、そしてさらなる投資を生む、こういう経済の好循環の実現を図るための法案を提出すべく検討を急ピッチで今進めているところであります。

 具体的に申し上げますと、電力システム改革の第2弾として、電気の小売業への参入の全面自由化を実現するための電気事業法の改正案、そして小規模事業者の振興を図るための基本法などの法案を現在検討中であります。しっかりした内容の法案を国会に提出、そして成立を図り、好循環実現国会にふさわしい国会となるように全力を尽くしてまいりたいと考えております。

 


【中小企業・小規模事業者のベースアップ】

 Q: 二点目は、賃上げについてですが、経団連が先月ベア容認の方針を示しましたが、今後はアベノミクスの効果がなかなか届いていないと言われる中小企業や小規模事業者の賃上げというのが課題になってくると思うんですが、それについて大臣のお考えをお願いします。


 A: まず、経団連が6年ぶりにベースアップを容認する方針を打ち出したこと歓迎したいと思っております。その上で政府としては、こうした動きが大企業にとどまらず、中小企業、小規模事業者まで広がっていくことが重要であると認識をいたしております。

 昨年来、主要な経済団体等に賃上げの要請を私からも行っておりますが、その際、取引先中小企業との取引条件の改善についても同時に要請を行っているところであります。

 また、昨年の10月末には、私から中小企業団体に対しても賃上げを通じた経済の好循環の実現を直接要請させていただいておりまして、関係団体からも前向きな回答をいただいているところであります。

 昨年12月には、官邸で総理出席のもと中小企業経営者の懇談会を開催いたしました。懇談会では、実際に賃上げを行った6名の経営者の方から御意見をいただいて、賃上げ等への前向きな取組が進んでいることを実感したところでありますが、中小企業、小規模事業者が賃上げできるような環境をつくっていくことが極めて重要だと考えております。

 今週の火曜日には実際に懇談会にも出席をされました石坂産業を、私も直接訪問をいたしまして、優秀な人材確保のための賃上げや、従業員教育に取り組む優良な企業を増やしていくことが極めて重要であると実感をしたところであります。

 今回の経済対策、いわゆるものづくり補助金につきまして昨年の1,000億から1,400億に大幅に増額をいたしまして、対象も流通やサービス業も含めるといった形でものづくり・商業・サービス補助金、こういった形の拡充を行ったところであります。

 今後これにつきまして補助採択を行わせていただきますが、その際に人材育成や賃上げ等の処遇改善に取り組む企業が優先的に補助対象に採択されるよう工夫もしていきたいと思っておりまして、こういったことも含めて、中小企業、小規模事業者の賃上げ実現を促していきたいと考えております。

 


【ダボス会議】

 Q: 通商関係で一点お伺いしたいんですが、先日ケネディ大使が表敬されたときに、大臣の方がダボスでフロマンさんと会うというお話しされたと思うんですが、フロマンさんとはどういった話をされるのか、その点お伺いできればと思います。


 A: スイスのダボス会議、関係方面の了解が得られたら出席をしたいと考えております。その際にはフロマン代表とTPPの問題、そしてWTOなど日米協力について意見交換を行いたいと考えております。

 


【東京電力・新総合特別事業計画】

 Q: 東京電力の事業計画の関連ですが、その中でいろいろな問題、きちんと整理されているんですけれども、七、八月ぐらいまでに再稼働ができなかった場合には、電気料金が10%値上げされるというようなことも示されているようなんですけれども、これに対しては、電気料金を人質にするのかというような批判もメディアから出ております。大臣は、どのようにお考えでしょうか。


 A: 先日、大臣室で新総合特別事業計画認定を伝達した際にも、柏崎刈羽原発の再稼働の時期等については安全確保が最優先であり、あくまでも収支計画の仮定として置かれたものと理解をしている。 今回の基本法に基づく計画の認定は、再稼働のタイミングなどについて予断を与えるものではないと東電にも申し上げております。

 東電には、安全を最優先して基準適合審査に的確に対応するとともに、立地地域に対して真摯に説明を尽くしていくことを求めているところであります。

 東電においても、再稼働がおくれた場合はコストカット等あらゆる手だてで対応していくということでありまして、再稼働の遅延、即値上げということにはならないと考えております。


 Q: 趣旨は同意見ですけれども、メディアなどからそういうことに対して、東電に対しての批判が強く出ているという点についてをお伺いできれば。


 A: 申し上げたとおりです。

 


【信販会社への行政処分】

 Q: 信販会社のオリコのことについて伺いたいんですけれども、一部報道で今日にも提携ローンの問題で業務改善命令が出るというようなこともありますが、このことについてと、あと経済産業省としてもオリコに対して聞き取り調査をやっていると思うんですが、社内体制、どういった問題点、課題があるのかという認識というのがあれば伺いたいと思うんですが。


 A: オリコにつきましては、11月22日、そして12月9日に提出された報告を精査しまして、法令上の問題があれば、厳正に対処をするということにしております。もちろん、社内的にさまざまなこういった反社勢力に対するチェックのあり方や体制整備、必要だと思っております。

 その上で行政処分を行うという場合には、当事者に通知を行った上で速やかに公表したいと考えております。

 


【消費税転嫁円滑化】

 Q: 冒頭にあった消費税の転嫁のところなんですけれども、違法の疑いもある事例、かなり深刻な事例なのかなと思う。もし、詳しくはレクでお聞きしますが、具体的にどんなケースが見られているのかというのを。


 A: 私が申し上げたのは、違法の疑いがあるとまでは申し上げておりません。4月以降の取引で買いたたき等を現に行っているか、今後行う可能性がある事業者が存在すると見られ、その上で474名の転嫁Gメン、これが調査、立入検査も含めて行って、裏付け捜査によりまして、法律違反の事実が明らかになったらばやるべきことということで、先ほど申し上げたような被害額の返還指導、それから公取によります是正勧告、さらには事業者名の公表も含めて厳正に対処したいと方針について申し上げました。

 

 

(以 上)