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茂木経済産業大臣の閣議後記者会見の概要

平成25年3月27日(水)
15:57~16:11
於:記者会見室

【関西電力と九州電力の電気料金の値上げ】

 

(冒頭発言)

 

 それでは、関西電力と九州電力の電気料金の値上げにつきまして御報告致します。

 先ほど森消費者担当大臣を訪問しまして、関西電力及び九州電力の料金値上げに関わる対応方針について合意をしました。協議の結果、合意した査定方針のポイントについて御報告します。詳細につきましては、後ほど事務方から説明をさせていただきます。
 森大臣から、査定方針案につきまして、消費者目線を踏まえたものとなっているというお話がありました。また、福利厚生費や競争入札比率についても、さらに改善をしていただいたと評価していただきました。消費者庁との協議が整ったことによりまして、消費者庁と共同で物価問題に関する関係閣僚会議に付議することになりますが、今週 金曜日にこの物価問題に関する関係閣僚会議を開催する方向で調整をしたいと思います。物価問題に対する関係閣僚会議を開催して了承が得られれば、関西電力と九州電力に対して、申請内容を変更するよう指示を行い、指示どおりに修正が行われていることが確認できた段階で、認可をしたいと思います。
 以上を踏まえて、現時点での暫定値でありますが、査定方針について御説明を申し上げます。
 燃料費については、今回の値上げ申請が火力燃料費の増大が背景になっていることを踏まえて、電力会社によります将来の効率化努力を先取りしたLNG調達価格とすることで、関西電力、九州電力、それぞれ約100億円程度の原価削減を行います。
 人件費については、従業員1人当たりの年間給与や役員給与を削減することにより、関西電力では約110億円程度、九州電力では約80億円程度の原価削減を行います。
 また、経営の効率化についてです。資材調達等における経営効率化は、東京電力の例を勘案しまして、原則10%のコスト削減を求め、子会社、関係会社取引ではさらに一般管理費等を10%減額することによりまして、関西電力で260億円程度、九州電力は120億円程度の原価削減を行います。
 以上によりまして、最終的な数字は、精査は必要ですが、関西電力申請によります規制部門の値上げ幅11.88%は、約470億円程度の原価削減によりまして9.7%台半ばに、また九州電力申請によります規制部門値上げ幅8.51%は、約300億円程度の原価削減によりまして6.2%台前半になる見通しであります。関西電力については、11.88%から9.7%台半ば、九州電力につきましては、8.51%から6.2%台前半になる予定であります。
 さらに、規制部門の料金値上げの実施時期につきましては、消費者への十分な周知を図るため、5月1日としたいと思います。
私から以上です。

 

 

 

 

(質疑応答)

 

Q: 十分な削り込みができたからというところについて、改めてお伺いします。いかがでしょうか。

 

A: そのように思っております。

 

Q: 今、十分な削り込みができたというふうに思っていらっしゃると御発言いただきましたけれども、その理由について、大臣はどうお感じになっているか、お聞かせください。

 

A: 冒頭申し上げました燃料費につきましては、将来の効率化努力を先取りしたLNG調達価格を導入しております。さらにトップランナー価格も導入し、LNGの調達価格につきましては、平成25年度、26年度についてトップランナー価格で、そして27年度については、天然ガス価格リンクを一部反映した原価折り込み価格等 にすることよりまして、関西電力、そして九州電力ともに100億円程度の原価の削減となっております。
 審査専門委員会の査定方針案では、委員長から人件費等、その時点で算定可能な削減額として関西電力で約200億円程度、九州電力で約100億円程度との御報告があったところです。その後、審査専門委員会の委員とも相談し、委員会の査定方針案に従い、今申し上げたLNGの調達価格、さらには資材調達の効率価格を精査したこと、さらに消費者庁との協議を踏まえて、構成比を引き下げたこと等によりまして、最終的には関西電力で200億円から470億円、九州電力では100億円から約300億円程度の削減額となったものです。総合的に勘案して、十分な切り込みができたのではないかと考えております 。

 

Q: 今回、新たに燃料費の部分で新たなスキームというものを入れたのですけれども、これから申請のある、もしくは現在申請があって査定が始まっている料金審査でも、適用していくお考えですか。

 

A: 基本的には、各社によりまして若干状況が異なりますが、このトップランナー価格及び将来の天然ガス価格リンクを反映するといった方式を導入していきたいと思います。

 

Q: かなり切り込んだということですけれども、電力会社サイドの方からは、かなり厳しい実感の声が出ております。また、関電、九電以外でも、今後この基準ですと、かなり厳しくなるという話も聞こえてきますけれども、どう考えていらっしゃいますでしょうか。

 

A: 今、日本経済全体にとりまして、電力を安定的に供給する、そして、同時にできるだけ安いコストで供給することは極めて重大な問題と思っております。
 電力会社にとっても、安定供給を確保する。その中で最大限のコスト削減努力は、これからも続けてほしいと思っております。しかしこういった状況ですから、値上げを認めざるを得ません。これができるだけ企業活動や家計の負担にならないように今回の査定を行わせていただきました。

 

Q: 2点ありまして、1つは業務系の料金、この参考の見通しを教えていただきたいと思います。まず、お願いします。

 

A:  最終的な精査は必要ですけれども、関西電力の値上げ幅につきましては、先ほど申し上げた規制料金が9.7%ポイント台半ばに対して、自由化料金については17.2%台半ば、そして九州電力の場合の値上げ幅は規制料金が6.2%台前半に対して、自由化料金の方は11.9%台半ばとなると考えております。
 当然、自由化部門と規制部門は異なるわけですが、査定の結果において、人件費や修繕費等の固定費の削減は大きな割合を占めております。規制料金は、配電網を利用しているなどのため 、原価に占める固定費の割合が自由化部門と比べて大きくなるために、圧縮幅では規制部門の方が大きくなります。もともとの値上げ申請もそのようになっていると思います。

 

Q: あと1点、今回大体ほぼ4カ月、若干超えるぐらいの期間だったわけですけれども、今後審査のやり方が今経産省と消費者庁に分かれてやっていることも含めて、このままでいくのか、それとも若干見直すことも考えるのか。

 

A: プロセス上、改善の必要があれば、そうしたいと思いますけれども、これは電力会社の経営にとっても、重要な問題であります。一方、この料金というものが企業活動、そして家計へも大きな影響を与えるということで、ある程度の時間をかけて、しっかりした審査を行っていく必要があると考えております。

 

Q: 先ほど新しい燃料費の査定方針について、今後も生かしていきたいというお話があったのですけれども、これは電気料金の再値上げの場合は、燃料費のみを対象にして簡素化された手続が準備されていると思うのですけれども、これに当たってもこうした今回の査定方針に近い考え方を適用していくお考えがありますか。

 

A: 再値上げが必要かどうかにつきましては、電力会社が判断することでありますので、コメントは差し控えたいと思っておりますが、いずれにしても電力各社に対しては、燃料費も含めて今後とも不断のコスト削減努力を続けてもらいたいと思っております。

 

Q: 消費者庁との協議の中で、大臣として重視した部分はどういったところでしょうか。

 

A: 先ほども少し申し上げましたが、一つが福利厚生費です。もう一つが競争入札比率を上げるというものです。専門委員会における査定方針案で、健康保険料の負担割合については、55%が妥当とされておりました。しかし消費者庁の意見を踏まえて、事業主負担割合50%を目指して平成25年度から27年度の原価算定期間中に、55%から27年度末には53%台にすることとさせていただきました。それから、持ち株奨励金につきましても、消費者庁の意見を踏まえ電気料金の値上げを行う状況下における費用の優先度を考慮して、原価算入を認めないことにさせていただきました。

 

 

 

 

 

 

 (以 上)