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政調会長会見要旨

平成24年5月30日

【冒頭発言】

本日のシャドウ・キャビネットは、国土強靭化基本法案、社会保障制度改革基本法案骨子案の2案件について審議しました。いずれも来るべき衆院総選挙の政権公約の柱になる重要なものです。社会保障制度改革基本法案は、税と社会保障の一体改革とも関連するものであり、極めて重要な案件です。
 両案とも了承を頂きました。国土強靭化基本法案については、6月1日(金)の総務会に諮り、了承されれば記者会見でその内容を発表します。そして、すみやかに国会に法案を提出することで合意しました。 
 社会保障制度改革基本法案の骨子案ですが、今後の法案化、取り扱いについては、谷垣総裁、執行部に一任されました。
 もう一件、小野寺外交部会長から、昨日来報じられている中国の一等書記官のスパイ疑惑の問題について、鹿野農林大臣、筒井農林副大臣との接点も報じられており、さらには中国ビジネスへの関与という疑惑も持たれ、国家機密にも関連する重大な問題である、との発言がありました。これに関し、国会でもしっかり問い質すべきとの意見が出されました。

 

 

【質問】

 本日小沢元代表と野田総理との会談があり、互いの立場を述べ合って平行線に終わったとのことですが、野田総理が再会談を求めるか否かなのですが、本日の結果をどう考えますか。

 

【答え】

 物別れに終わったというのは、ある意味想定された結果でした。何のための会談だったのかと思いますが、再会談されるか否かは総理のご判断だと思います。ただ、スタンスの違いは明確だと思います。野田総理は税と社会保障に政治生命をかける、一方、小沢元代表は消費増税引上げには賛成できないとおっしゃっている。これだけスタンスが違うのだから、一緒に物事を成し遂げていくのは難しいと思います。結局は、税と社会保障の一体改革をとるのか、小沢元代表を取るのか、野田総理の判断になるのだと思います。野田総理が決断することだと思います。

 

 

 

【質問】

 社会保障制度改革基本法案の骨子ですが、この後の総務会に諮った上で執行部一任ということですか。

 

【答え】

 政策会議、総務会については、法案化された後にすみやかに諮りたいと思っています。骨子の段階でほとんどの部分が盛り込まれていますが、法案化した段階で政策会議、総務会にかけ、党として決めたいと思っています。今の段階で、今週の総務会にかける予定はありません。今後の国会での審議全体を見ながら、総裁が判断されると思います。

 

 

 

【質問】

 社会保障制度改革基本法案の提出時期に関してはどのようにお考えですか。

 

【答え】

 これからの国会での審議状況によります。昨日、原子力の規制組織法案の本会議審議に入りましたが、わが党から社会保障と税の特別委員会について夕方以降の時間も使って審議をしたらどうかと提案しても、与党側から夜なべはしたくないという返答がありました。何故、審議したくないのか聞くと、国会が不正常だからと言う。与党が自ら不正常な形にしておいてこんな対応では、どちらが与党で、どちらが野党だかわからない。民主党執行部も本当に審議を進めたいと思っているのかと疑念を持つところです。本来なら来週以降、中央公聴会の開催日程もセットしなくてはならないと思います。国会のスケジュールや会期末等を考え、今後どうなっていくのかということも見極めながら、一体改革となっていない政府案の社会保障の部分を補う形で、堂々と対案を提出します。その採決もにらみながら、提出時期は考えたいと思っています。

 

 

 

【質問】

 中国の一等書記官スパイ疑惑の件ですが、今後どのように追及していくつもりですか。本日の2幹2国2政では、農水委員会や予算委員会で追及するということでありましたが。

 

【答え】

 具体的にどの委員会で扱うかは決まっていませんが、国会で扱うべきテーマであるということは自民・公明間で一致しています。また、本日のシャドウ・キャビネットでも国会できちんと問い質すべきテーマであるとの意見がありました。現在、参院の予算委員長が不在という極めて異常な状態ですが、重要な問題なので、予算委員会になるのか、農水委員会になるのか、まだどのようになるのか分かりませんが、この問題についてはきちんとした議論が必要だと思っています。

 

 

 

【質問】

 一体改革関連法案ですが、現時点で政調会長に与党側から修正協議の打診がありますか。また、修正協議の枠組みとして想定されているものがありますか。

 

【答え】

 修正協議の打診はありません。

 

 

 

【質問】

 問責閣僚の件や、中国の一等書記官のスパイ疑惑等が解決されていない中で、修正協議に入る環境が整っていると考えていますか。

 

【答え】

 少なくとも、政府与党としてこの法案をどう進めていくかというスタンスがはっきりしていない感じがします。率直に言って、失速傾向にあると思っています。そういうところを立て直すところから始めないと、修正協議を始める環境が整っているとは言えません。

 

 

 

【質問】

 社会保障制度改革基本法ですが、本日の自公会談でも案件に上がったかと思いますが、公明党とどういうスタンスでやっていくのか、基本的に今自民党が示しているのは、自公政権時代の制度を基本とするものかと思いますが、公明党と協議するとすればどのような点が協議の余地があると考えますか。

 

【答え】

 社会保障に関する考え方は、わが党としてこの2年数カ月の中で改めて考えてきたもので、しっかりと理念をまとめ、あるべき姿を打ち出しています。本日の公明党との2幹2政2国の場で、わが党の社会保障制度基本法の骨子案を説明しました。私も公明党の社会保障の考え方を拝見しましたが、大きな齟齬はないと思います。個々の点については当然詰めていくものが出てくると思いますが、それは幹事長レベルでも、政調会長レベルでも意見交換をしていきたいと思っています。

 

 

 

【質問】

 野田総理と小沢元代表との会談で、小沢元代表からのこれまで主張してきた年金の大改革を忘れているのではないかという発言に対して、野田総理から社会保障はしっかりやり遂げますと応えたとのことですが、つまりは自民党が用意している社会保障基本法案とは相入れないのではないかと考えられるのですが、この点はどのように考えますか。

 

【答え】

 わが党も年金を含め社会保障には改革が必要であると考えています。ただ、何をもって改革とするか、ぶち壊すことだけが改革ではない、やれないことを大仰に振りかざすことが改革ではないと考えます。また、小沢さんについて言えば、政権交代した時小沢さんは幹事長でした。やろうと思えばできたのです。何もせずに、今になってマニフェストが出来ていないと言うのは、政治家としていかがなものかと思っています。

 

 

 

 

【質問】

 各委員会の法案審議について、審議が全く進んでいない16法案7委員会を職権でたてるという話もありますが、税と社会保障特命委員会の失速傾向をさらに助長するのではないかとも思われるのですが、このような動きをどう見られますか。

 

【答え】

 やはり与党は謙虚な国会運営が必要なのだと思います。かつて竹下総理は7割を野党に譲る、そうすると国会運営はうまくいくという話をされたことがありましたが、そういった姿勢が全く見えないと思います。すべて採決、採決で物事が進められており、これで本当に多様な意見が吸い上げられるのか、極めて疑問に思っています。

 

 

 

【質問】

 野田総理は、小沢さんを取るか、一体改革を取るかどちらかだということを政調会長はおっしゃいましたが、その覚悟が決まるまでは、自民党としては前に進めないということでしょうか。

 

【答え】

 少なくとも、ボールを我々としてはきちんと投げたと考えています。後はそれをどう受け止め、どうするかは総理の判断だと考えています。そのような中で本日会談を行う必要があったのかということに関しては、いろんな意見があるかと思いますが、野田総理、小沢元代表の考え方の違い、スタンスの違いが明らかになった。ですから、もう選択するしかないと思っています。