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年頭挨拶

あけましておめでとうございます。

今から100年前の1924年の春、米国のシアトルを飛び立ったプロペラ機は、アラスカの氷山を越え、日本を経由し、アジア、中東、欧州など各地で嵐や濃霧、暴風雨といった困難を1つ1つ乗り越え、半年後にシアトルに帰着し、人類初の世界一周飛行を成し遂げました。この偉大な挑戦によって、人類は未来への可能性を切り拓き、人やモノが活発に往来する新時代が幕を開けました。

そして、100年後の現在。人類は、グローバル化の進展とともに成長する一方で、気候変動、エネルギー・食料安全保障など新たな課題に直面しています。また、ロシアによるウクライナ侵略を巡って国際社会の結束が問われる中で、深刻化するイスラエル・パレスチナ情勢が、世界に対立と分断をもたらしつつあります。

わが国は、昨年、G7議長国として、国際秩序の維持、強化、そして地球規模課題の解決に向けて主導的役割を果たしました。本年も、地域の事情に応じたきめ細やかな外交を展開すると同時に、厳しさを増す安全保障環境に毅然と対応していきます。

国内では、昨年の賃上げ率が3.6%と30年ぶりの高水準となり、日本経済は、30年来のデフレから脱却し、新たな成長段階にジャンプ・アップする大きなチャンスを迎えています。一方で、足元では物価高が続き、デジタル、グリーンといった成長分野への投資も、主要国と比べて遅れています。

そこで、昨年11月に新たな「総合経済対策」を取りまとめ、物価高への対応、日本経済の体質改善という2つの目的のもとで、その重点分野への集中的取組みを進めていくことにしました。

「補正予算」の速やかな執行により、ガソリンに加え、電気・ガス料金の激変緩和措置など物価高への対応を進めます。さらに、総額112兆円の「令和6年度予算案」に盛り込んだGX、DX、半導体など戦略分野、成長分野への国内投資の促進策によって、「成長志向型経済」への転換を図っていきます。

今年の干支は「辰(龍)」です。龍は十二支の中で唯一、伝説上の生き物で、天高く昇ると言い伝えられています。100年前、世界一周という試練に挑んだ飛行士のように、わが党は、内外の厳しい課題解決に全力で取組み、日本の未来を切り拓いていきます。同時に、今般の政治資金問題に党一丸となって対応し、国民の信頼回復に努めてまいります。

皆様にとっても、本年が天高く昇る龍の如く飛躍の一年となりますことを心よりお祈りいたします。

2024年1月1日掲載