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第159回国会衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会における所信

平成16年2月18日(水)

沖縄及び北方対策を担当する内閣府特命担当大臣の茂木敏充でございます。

 沖縄及び北方問題に関する特別委員会の開催に当たり、所信の一端を申し上げます。

 まず、沖縄対策について申し上げます。

 復帰後30余年が経過し、沖縄が新たな発展の基礎を築いていく重要な時期に担当大臣に就任し、その責任の重さに身の引き締まる思いを致しております。

 私は、沖縄に関する現下の課題は、沖縄の自立型経済の構築と基地負担の軽減であると考えております。

 沖縄の振興に関しては、沖縄が昭和47年に本土に復帰して以来、3次にわたる沖縄振興開発計画を策定し、総額7兆円の国費を投入し、沖縄の振興開発のための諸施策を積極的に講じてまいりました。こうした取組を通じて、施設整備面を中心に次第に本土との格差が縮小するなど、着実に成果を上げてきたところであります。

しかしながら、今日なお沖縄の社会経済は、県民所得の低さや失業率の高さに示されるように大変厳しい状況にあり、産業の振興や雇用の創出など、自立型経済の構築に向けた一層の取組が重要であると認識をいたしております。

 平成14年4月に施行された沖縄振興特別措置法や、同年7月に策定された沖縄振興計画に沿って、観光、情報通信、農林水産業等の各種産業の一層の振興、それを支える人材の育成や科学技術の振興など、今後は、沖縄の新たなる発展に向けて、沖縄県や地元市町村と一体になった取組をより一層加速させてまいりたいと考えております。

 中でも沖縄科学技術大学院大学設立構想につきましては、沖縄の地理的優位性や地域特性を生かした、今後の沖縄振興の目玉となる大変重要なプロジェクトであり、沖縄振興計画でも重要な柱として位置付けられております。

 大学院大学構想については、既に昨年10月に沖縄で第1回国際シンポジウムを実施しており、今後も3月開催予定の国際ワークショップや先行的研究事業を実施することとしているところであり、内外の研究者の高い関心と強い期待に支えられ、今年度は順調に構想のスタートを切ることができました。

 今後は、構想の実現に向けて具体的な取組を進めていく必要があります。このため、まずは、大学の前身となる研究所を着実に立ち上げ、大学設立の基盤を整備していくことが重要と考えており、昨年12月に関係閣僚による申合せを行い、来年度からの事業化を図ることとしました。また、ノーベル賞受賞者であるシドニー・ブレナー博士に学長予定者となることの内諾を得たところであります。ブレナー博士のリーダーシップの下、先行的事業を実施するとともに、研究所の事業主体となる法人の設立準備を進めるなど、より一層の努力をしてまいります。

 沖縄における米軍の存在は、我が国の安全及びアジア・太平洋地域の平和と安定に貢献する一方で、在日米軍施設・区域の75%が沖縄に集中しており、県民の皆様に大きな御負担をお掛けしていることも事実であります。その整理・統合・縮小に向け、沖縄に関する特別行動委員会(SACO)最終報告の着実な実施を図るなど、県民の皆様の御負担を軽減できるよう、誠心誠意取り組んでまいる所存であります。

 特に、普天間飛行場については、昨年末、民間区域を含め普天間飛行場代替施設の事業主体に防衛施設庁がなることを決定するとともに、第2回代替施設建設協議会を開催し、防衛庁から代替施設建設にかかわる事業の進捗状況について、報告、説明を受け、所要の協議を行ったところであります。今後は、普天間飛行場の早期返還を実現するため、代替施設建設をできるだけ速やかに進めることが重要だと考えております。そのためにも、昨年末の代替施設建設協議会の協議を踏まえ、次のステップである環境影響評価手続にできるだけ早期に入れるよう取組を進めてまいる所存であります。

 次に、北方領土問題について申し上げます。

 私は、昨年12月に根室管内を訪問し、納沙布岬から北方領土を間近に見、北方領土は我が国固有の領土であることを改めて実感しました。

 また、元島民の皆様、地元関係者の方々からお話を伺い、住み慣れた島を追われた皆様の御苦労や、四島返還の切実な願い、そして、北方領土隣接地域の厳しい現状を肌で感じ、北方領土問題の解決に向けて、決意を新たにした次第であります。

 昨年1月のモスクワにおける日露首脳会談において採択された行動計画においても北方領土問題は重要な柱として位置付けられ、また、5月末の首脳会談では、プーチン大統領から、「領土問題を解決したいとの強い気持ちを持っており、沼に埋めるような考えは持っていない」旨の発言があったところであります。

 北方四島の帰属の問題を解決して、日露平和条約を締結し、両国間に真の相互理解に基づく安定した関係を確立することは、我が国の一貫した基本方針であります。

 このような外交交渉を成功に導くためには、北方四島の早期返還を目指す国民の世論を結集し、すそ野が広く粘り強い国民運動を展開していくことが重要であります。

北方領土の日である2月7日には、小泉総理出席の下、金田委員長を始め多くの方々の御参加を得て北方領土返還要求全国大会が開催され、また、この日を中心として、全国各地で県民大会など様々な活動が展開されたところであります。

 私といたしましては、引き続き全国民的な返還要求運動の推進を支援していくとともに、北方領土に関する積極的な広報・啓発活動、とりわけ次代を担う青少年への啓発事業を重点的に進めてまいります。

 また、元島民の皆様に対する援護措置の推進、北方四島との交流及び元島民とその家族の方々によるいわゆる自由訪問等の着実な実施にも努めて参る所存であります。

 以上、沖縄対策及び北方領土問題に関しまして、金田委員長を始め理事、委員の皆様方の一層の御理解と御協力をお願い申し上げまして、私のあいさつといたします。