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茂木経済産業大臣の閣議後記者会見の概要

平成25年12月13日(金)
10:14~10:33
於:記者会見室

(冒頭発言)

 

 私から3点まず簡単に御報告を申し上げます。

 

【関係閣僚会議】
 一つは今日の閣議の関係でありますが、今週10日火曜日の閣僚懇談会におきまして、私からエネルギー基本計画の検討状況について報告をして、総理から設置の御指示がありました原子力関係閣僚会議、そして最終処分関係閣僚会議の二つの閣僚会議の設置、開催が了解されました。いずれも関係閣僚としてしっかりと検討を行い、政府一体となってこの問題に取り組んでいきたいと考えております。開催の日程はまだ決まっておりませんけれども、できれば年内に開催したいと思っております。

 

 

【平成25年度補正予算】
 それから、2点目でありますが、昨日平成25年度の補正予算案、閣議決定をいたしました。経済産業省の関連では5,511億円の予算を措置いたしました。加えて、復興庁の計上になりますが、震災復興についても、当省関連で1,237億円確保いたしました。前回、平成24年度の補正予算と比べて、今回5.5兆円、前回が10兆円規模ということでありましたが、規模は約半分という形になる中で、中小企業対策関連、前回が5,434億円に対しまして、今回は比率からいきますと、6割を超えます3,612億円の予算を確保いたしました。
 加えて、例えばものづくりの補助金においては、商業、サービス業を対象に加えるとともに、生産プロセスの改善も支援することといたしまして、前回の1,007億円から今回1,400億円に増額をすることができました。地域経済を支える中小企業、小規模事業者への支援に万全を期していきたいと考えております。
 こうした取り組みによりまして、アベノミクスの効果を全国津々浦々に届け、消費増税に伴います景気の下振れリスクに対応するとともに、成長力の底上げを図っていきたいと考えております。
加えまして、10月1日に決定をいたしました大胆な投資減税、そして賃上げを実行した中小企業に対する資金繰り支援の金利優遇等の実施、更に産業競争力強化法の施行と相まって、成長戦略をスピード感を持って実行していきたいと考えております。

 

 

【日ASEAN40周年記念経済フォーラム・日アラブ経済フォーラム】
 3点目でありますが、この週末にかけて国際会議が続きます。一つが日・アセアン友好協力40周年を記念して、明日14日、特別首脳会議が開催される予定であります。経済産業省としても、これに合わせて15日の日曜日にアセアンの関係閣僚及び有識者をお招きして、日・アセアン40周年記念経済フォーラムを開催し、日・アセアン間の新たな協力の道筋について意見交換を実施する予定であります。
 また、週明けの16日から17日にはアラブ連盟と加盟20カ国の閣僚や日・アラブの企業関係者の参加を得て、第3回日・アラブ経済フォーラムを開催して、貿易、投資、エネルギー、そして人材育成など、幅広い分野での意見交換を行う予定であります。
 私自身、このフォーラムに合わせまして、アセアン、そしてアラブの11カ国の閣僚、いくつかの国とは既に始めておりますが、バイ会談を行うことといたしております。
 二つのフォーラムの開催、そしてバイ会談を通じて、アセアン及びアラブ地域との経済関係を更に強化をさせていきたいと考えているところであります。
 私からの経済産業大臣としての報告は以上です。

 

 

【特許権の登録】
 1点個人的に御報告があります。
 特許を取りました、茂木敏充として。
 11月29日に特許を取得いたしました。この考え、経済産業大臣になる以前から幾つかのアイデアについて特許を取ろうという構想を持っておりましたけれども、一出願人として特許の手続を取ったところ、このたび11月29日付で特許を取得することができました。
 特許の内容でありますが、外国人が日本のレストランなどにおいて、日本語ではなく母国の言語と通貨のままで、宗教上やアレルギーなどの理由により、食材の拒否、例えばイスラム教の方が豚肉を食べない、それからヒンドゥーの方が牛肉を食べない、更にはベジタリアンで肉そのものやチーズも食べない等、いろいろ食材を見て、メニューの中ではじきたいものをはじける。もしくは違うものに変換をするといったことを確認しながら注文できるものです。
 もちろんアレルギーがある人についてもそうでありますが、そしてその情報がインプットされることによって蓄積されて、データベースがバージョンアップしていくというアイデアに関するものであります。
 基本的にはタッチパネルを使って、自分の国籍なりを入れて、そこでその言語が出てくる。そして値段も当然その国の通貨で表示をされるということになって、例えばそれがインドネシア人だったらインドネシア人、タイ人だったらタイ人のデータベースが蓄積をされることによって、それに対するコーションが出たりと、いろいろな形もとっていけるという特許です。
 今年は日本を訪れる外国人が初めて1,000万人を超える、こういう見通しであります。出願をいたしましたのは、2020年のオリンピック東京開催が決まる少し前の9月2日でありました。特許がおりたのが11月29日ということになります。
 実際の手続、これは弁理士にお願いして進めましたが、一出願人として今回の経験で私が感じたこと、二つございまして、一つは中小ベンチャー企業や個人が持っているさまざまな技術やアイデアを円滑に権利化できるように、国としても積極的に支援していくことが重要であって、制度やシステム、これを出願者にとって、より負担の少ない、使いやすいものにしていくことが必要ということであります。
 私自身の出願は法施行前であったので、残念ながら恩恵を受けることができなかったのですけれども、御案内のとおり、今回成立をいたしました産業競争力強化法で、中小ベンチャー企業を対象に、特許料などの国内国際出願の負担軽減の措置、手数料が3分の1となる措置を講じることにいたしました。
 それから、もう1点、権利化に際して審査のスピードと国際的にも通用する品質が重要でありまして、日本で特許を取れば、その審査結果が海外の審査でも通用して、海外でも権利を速やかに取れるように制度やシステムを国際的にも発展させていくことが必要であるということであります。
 この点、これまで出願から審査着手までの待ち時間を短縮するよう取り組んできたところでありまして、今目標として11カ月ということを掲げておりますが、更に出願から審査の着手だけではなくて、その後の権利化までを見据えて、審査手続全体の更なる迅速化、効率化と審査の質の更なる向上のために、定量的な目標を設定するなどして、取り組みを強化するよう、特許庁に指示をしたところであります。
 以上です。

 

 

 

(質疑応答)


【与党税制改正大綱】
Q: 2問お伺いします。最初はまず税制改正大綱ですけれども、軽自動車税の昨日の大綱決定で7,200円から1万800円と1.5倍になると。
 大臣はかねがね地方の生活の足となっている軽自動車の増税には反対の立場をとられてきましたけれども、結局こういう形で負担増になりかねない状況になっているわけですけれども、この現状を大臣はどのようにお考えになられますでしょうか。

 

A: まず、今回の税制改正全体の受け止めでありますけれども、御案内のとおり秋に大胆な設備投資減税が既に決定をしております。それに加えて、今回の大綱には車体課税の抜本的な見直しや復興特別法人税の前倒しの廃止、更には交際費課税など、来年4月からの消費税引き上げを乗り越えて、経済の好循環を実現していくための重要な措置が盛り込まれたと考えております。また、中心市街地など、地域経済の活性化、更にはエネルギー関連の税制など、きめ細かく手当てされたと、全体的に高く評価をしております。
 その中で自動車の関連、特に軽自動車の関係でありますけれども、まず取得税で登録車2%、軽自動車1%の税率の引き下げ、そして消費税10%段階での廃止、更には自動車重量税、自動車税について、エコカー減税等のグリーン化の措置の拡充、これが決定をされまして、消費税引き上げの影響緩和に大きな効果を発揮するものと考えております。
 軽自動車税については、税率を引き上げることを決定されたわけでありますが、対象を来年ではなくて再来年、平成27年度以降の新規に取得した新車にまず限定をする。更には農業者や中小企業者等の負担を考慮して、自家用乗用車以外については税率の引き上げを1.25倍に抑える。そして、あわせてこれは業界からも評価をされているところでありますが、環境性能の高い軽自動車税の軽減措置についても検討を行うということで決まったわけでありまして、全体としてこの軽自動車を含めた自動車の重要性、これについて十分最大限の配慮がなされているものと考えております。
 引き続き軽自動車が地方における生活の足として果たす役割も踏まえつつ、軽減措置、これの具体的内容の検討を含めて、しっかりと対応してまいりたいと考えております。

 

 

【TPP】
Q: 2問目ですけれども、TPPですけれども、シンガポールでのTPP、御案内のとおり年内妥結ができずに越年となりました。大臣もおっしゃっていましたけれども、首脳間で合意した年内妥結という目標が達せられなかったことの受け止めと交渉妥結に向けて何が必要なのかというのを御意見を伺えればと思います。

 

A: シンガポールの閣僚会合におきまして、妥結に至らなかった、率直に申し上げて残念だと感じておりますが、シンガポールの閣僚会合、もしくは事前のさまざまな協議によりまして、残された主要課題の大部分について、潜在的な着地点、これを特定して、交渉妥結に向けて実質的な進展が見られたのも事実であると考えております。
 来月には閣僚が再度集まるということでありまして、それまでに集中的な作業を行って、市場アクセス及びルールの両面において、交渉終結に向けた作業を各国が柔軟性を持って継続することが必要だと考えております。

 

Q: 今のTPPのことに関して重ねて質問いたします。
 今年の2月、安倍首相が初めてアメリカに行かれたときに、多くの人はいわゆる聖域がある程度容認されたのだというような印象を持ったと思います。今回それですごい厳しいということがみんなわかったと思うのですけれども、そこで御質問なのですけれども、その受け止めと、各国から、日本だけではなくて、アメリカの政治日程に合わせて、来年の中間選挙ということがいろいろな国で同じように指摘がされていますが、その辺をどう、それで急ぐということの意味をもう一度御説明いただけますか。

 

A: このTPPについては、交渉当初から、これは日本が参加をする前から全ての品目、これをテーブルに載せて交渉を行うということが決まっておりました。そして、日米間でも、そしてほかの国にも特定の分野についてセンシティビティがある、こういったもとで交渉を進めてきたわけでありまして、それぞれの国はどの国がどういうセンシティビティを持っているか、それも認識をしながら、しかしその上でアジア太平洋地域の新たなより高いルールをつくっていく、経済連携をつくっていく、こういった思いで、まさに今もそういったぎりぎりの交渉が続いていると考えております。
 そして、この年内妥結、このスケジュールはどこの国に合わせているというよりも、もともと参加国の間で決まっていたスケジュールでありまして、我が国も遅れて参加いたしましたが、それに向けてさまざまな分野で投資のルールであったりとか、大きな貢献をしてきたという自負は持っております。
 年内妥結できなかった、このことについては残念な思いがありますが、難しい交渉を相当進展させてきたといった意味において、できる限り早い妥結に向けて、更に交渉を進めていきたいと考えております。

 

Q: 年内妥結できなかった、確かにいろいろあると思うのですけれども、最初に考えていたよりは厳しいという受け止めでよろしいのでしょうか。

 

A: なかなかこれは全ての品目をテーブルに載せる、そして非常に高いレベルの経済連携協定を目指すという意味では、高い目標を掲げておりましたから、それだけ交渉というのは当然難しくなってくるというのは当然のことだと思っております。

 

 

【特許権の登録】
Q: 特許の件なのですが、初めて認可がおりたとき、それを聞いたとき、どんな感想をお持ちでしたか、また申請をするときに大臣は手応えはありましたか。

 

A: 11月29日に特許が認められ、率直に言って、自分にとって初めて特許ですから、うれしかったというのは正直な感想です。
 提出する前、弁理士の方とも相談をして、当然同じような特許があるかどうか、下調べもしてもらいました。そういった中で、ちょうど日本に来る観光客もふえて、私も実際にレストランなどで注文で困っている外国人の姿を何度か目にして、これは利便性が高まるのではないかなという思いを持っておりましたので、うまくいってくれればと思っておりました。

 

 

(以 上)