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茂木経済産業大臣の閣議後記者会見の概要

平成25年4月2日(火)
9:10~9:22
於:記者会見室

(冒頭発言)

 

【電力システム改革】

 今日は閣議の前に、日本経済再生本部がありました。電力システム改革に関する改革方針の御報告を申し上げ、了解を得て、本日の閣議におきまして、電力システムに関する改革方針を閣議決定しました。
 これは電力システム改革専門委員会の報告書を踏まえ、政府として2020年までに実現すべき新たな電力システムの姿を示したものです。総理からの指示を受けて、政府内及び与党との調整を経て、取りまとめられたものです。本日の日本経済再生本部におきまして、総理から、電力システムに関する改革方針に沿って、改革の全体像とスケジュールを含む法案を今国会に提出すべく、作業を進めることという指示をいただいています。できる限り早く今国会に所要の法案を提出し、成立を期したいと考えております。

 私から以上です。

 

 

 

 

 

(質疑応答)

 

【電力システム改革】

Q: 電力システム改革をめぐっては、改革は大胆に、スケジュールは現実的にというお考えをたびたび示されてきましたけれども、20年までに発送電分離というのは、実現可能なスケジュールだという判断だということでしょうか。

 

A: 閣議決定をさせていただきました。そして、それに沿って法案においても具体的に附則の中でプログラム法という形で、2020年までにこの改革を実現するということになっております。私自身も様々な観点から検討を重ねまして、東日本大震災以降、我が国が直面しているエネルギー制約を克服して、低廉かつ安定的な電力供給を一層進めていく上で、電力システム改革に取り組むことが不可欠であると判断をしたわけであります。
 お話しいただいたように、一貫して改革は大胆に、スケジュールは現実的にという話を申し上げてまいりました。具体的なスケジュールも盛り込む必要があるということで、第1弾の今回の法改正により、広域系統運用の改革と同時に、改革の全体像を示しますプログラム規定を盛り込んだものを電気事業法の改正法案として、今国会に提出をさせていただきます。

 そして、来年に第2弾の法案提出を行いまして、再来年に最後になります第3弾の法案提出といった形で準備を進めております。改革につきましては、2018年から20年の間で料金規制を完全に撤廃し、そして発送電の法的分離を行うということで進めたいと思っております。

 

Q: 関連してなのですけれども、最後の第3弾の法案提出は、もともとの経産省で大臣が3月6日の部会で御説明したのだと、15年に提出するとなっていますけれども、最終的に自民党内の議論を経て、提出を目指すという形に変わりました。何か当時の議論を聞くと、一部の人の反対のような気もしたので、そのままでもいいような気もしたのですけれども。

 

A: 御案内のとおり、その前段の部分で「目途に」と入っております。一つの目標に全てのことを進めております。明日やることではなく、何年という先の話になるものですから、「目途に」という後に「目指す」を付けても付けなくても、全く意味は変わらないと思っております。

 

 

【TPP】

Q: TPPについてですけれども、まだ米議会は通知というのを行っていないわけですけれども、現状どういう状況になっているのか。

 

A: 米国との事前協議についてはTPPというより、以前から米国が関心を示してきました自動車や幾つかの項目につきまして、協議を続行しております。

 

Q: いつぐらいをめどにというのは。

 

A: 特段のめどということではありませんけれども、できるだけ決着できる部分については、早急に決着したいと思っております。

 

 

【電力システム改革】

Q: 電力システム改革について、今後来年に第2弾、そして再来年に第3弾の法案提出、これに伴い詳細な制度設計を進めることになりますが、困難が予想される点、またはポイントなどがあれば教えてください。

 

A: 今後の話でありますけれども、様々な観点から進捗はきちんと管理していかなければいけないと思っております。

 例えば、最終的に発送電分離を行っていくということになりますと、それに伴いまして、発電会社、それから送電会社、それぞれのシステム開発も必要になってきます。恐らくその準備ということでも、3年ぐらい要するのではないかと思っています。同時に、それぞれの事業者にとっての資金調達環境もきちんと見ながら進めていきたいと思っております。何にしましても、エネルギーについては安定供給、同時に現在のエネルギー制約を考えると、コストの削減といったことが重要でありまして、こういったことがきちんと進むかを見ながら、改革を進め、また料金の自由化、そして最終的には規制の完全撤廃を進めていきたいと思っております。

 

Q: 料金規定の完全撤廃ですけれども、これは結構難しいというような見方もありますけれども、その辺の見通し、あとどういう条件が整えば、これはできるかと考えるかということを教えてください。

 

A: 難しいといえば難しいです。難しいことを避けていたら日本は良くなりません。それだけです。

 

Q: 今回、電力システム改革について、改めてになりますが、消費者にとってどういうメリットをもたらすことができると考えていらっしゃいますか。

 

A: 今回の改革は、川上の調達、発電の部門だけではなくて、流通、そして川下の小売りから消費の部門、全体にかかわる改革ということになります。新規参入が進み、料金規制等も撤廃される中で、消費者、いわゆる需要側にとっても多様な使用形態、多様な事業者からの購入、そして多様な料金メニューといった中で選択の幅が広がる。同時に、それを通じてピークコントロールも可能になってくると思いますし、最終的にはこれが需要家にとって、支払う電気料金の低下にもつながるのではないかと思っております。

 

Q: 一方で、今のような電力状況ですと、むしろ電気代が高まるとかという指摘もあったりしますが、こういった指摘に対して、今後どのように応えられていくのでしょうか。

A: 当面、電気事業者につきまして、料金規制がかかります。ですから、全体的に燃料コストの問題等は別ですが、電力システム改革を進める結果として料金が上がるということはないような仕組みになっております。

 

【海洋基本計画】

Q: 昨日、海洋基本計画の原案が公表されていますが、国産資源の開発についての見解を改めてお聞かせください。

 

A: 現在、今後5年間の海洋政策の柱となります新たな海洋基本計画の原案について、内閣官房のホームページで意見を募集中であります。計画の原案には、メタンハイドレートの技術開発を行う上で、平成30年代後半に民間が主導した商業化プロジェクトが開始されることを目標に掲げたことや、日本海側を中心に存在が確認されました表層型のメタンハイドレートや海底に存在するレアアース泥の資源量調査を今後3年程度で集中的に実施すること等を盛り込んでいます。今後、冒頭申し上げた意見募集の経過も踏まえて、さらに検討を行い、総合海洋政策本部での承認を得て、4月中ぐらいに閣議決定を予定しております。

 

 

【東京電力の総合特別事業計画】

Q: 東京電力についてお伺いします。総合特別事業計画の中で、この4月から柏崎刈羽原発を順次稼働させていくという計画があったと思いますが、昨日4月1日を迎えまして、事実上計画としてやや破綻していることが表面化したと思います。この点について、政府の御所見をお願いできますか。

 

A: 計画全体が破綻しているとは全く思っていません。

 

Q: 重ねて伺いますが、東電は金融機関とは、今年度の最終損益を黒字転換するということをマンデートにしたということですけれども、これについてどのようにお考えでしょうか。

 

A: それは東京電力と金融機関との間でお話になるテーマだと思っております。

 

Q: 黒字転換の実現の可能性については、大臣は所管大臣としていかがお考えですか。今年度の黒字転換をマンデートに掲げているので、その可能性についていかがお考えですか。

 

A: できる限り黒字化するように、最大限の経営努力をしてほしいと思います。

 

 

 (以 上)